走行中に「カチッ」「ビシッ」と音がして、車を確認したらフロントガラスやボディに傷がついていた。このような飛び石による被害は、道路を走る車ならいつでも起こる可能性があります。
小さな傷でも、フロントガラスにヒビが広がったり、ボディの塗装が剥がれた部分からサビが発生したりするケースもあります。
この記事では、飛び石が発生する原因から、車に傷がついたときの対処法、修理費用、車両保険を使う場合の注意点、飛び石を減らす運転方法まで詳しく解説します。
車の飛び石でなぜ傷がつくのか?
飛び石とは、道路上にある小石などがタイヤに巻き上げられたり、前を走る車から跳ね飛ばされたりして、車に当たる現象です。走行中の車に当たった石は速度を持っているため、小さな石でもフロントガラスやボディに傷をつけます。
飛び石は前を走る車が小石を跳ね上げて起こる
飛び石の原因は、前方車両のタイヤが路面上の小石を跳ね上げることです。特に、砂利や小石が多い道路、工事現場付近、路肩に砂がたまっている道路などでは、飛び石が発生する可能性が高いです。
また、前方車両のタイヤに挟まっていた石が外れ、後続車へ飛んでくる場合もあります。そのため、通常の舗装道路を走っていても飛び石を完全に避けることはできません。
飛び石が起こりやすい道路や走行状況
飛び石は、路面に砂や小石が多い場所ほど発生しやすいです。
- 砂利道
- 工事中の道路やその周辺
- 舗装が傷んでいる道路
- 路肩に砂や小石がたまっている道路
- 高速道路や自動車専用道路
このような道で発生しやすく、雨や雪の後など、路面状況が変化したときにも発生します。道路上の異物を運転で完全に把握することは難しいため、速度や車間距離を考えて車を走らせると飛び石を防ぎやすくなります。
大型車や高速道路では注意が必要
ダンプカーやトラックなどの大型車の後ろを走行するときは、特に注意しましょう。
大型車はタイヤの数が多く、車体も大きいため、前方の路面状況を確認しにくいです。また、タイヤによって小石などが跳ね上げられる可能性もあります。
高速道路では一般道より走行速度が高いため、飛んできた石が車に当たったときの衝撃も大きくなります。大型車の真後ろで走るのを避け、十分な車間距離を取るのが飛び石対策につながります。
飛び石で車のどこに傷がつく?
飛び石による被害は、フロントガラスだけではありません。車の前方にあるボンネットやバンパー、ヘッドライトなどにも傷がつきます。
フロントガラスに傷やヒビが入る
フロントガラスは飛び石の被害を受けやすい場所です。
小石が当たると、ガラス表面に小さな欠けができたり、衝撃点から放射状にヒビが入ったりします。最初は小さな傷でも、走行中の振動や温度変化などによってヒビが広がる可能性があります。傷を発見したら、できるだけ早く状態を確認して対処しましょう。
ボンネットやバンパーに傷がつく
車の前方にあるボンネットやフロントバンパーなどに飛び石傷ができます。
塗装表面だけの浅い傷ができる他に、塗装が剥がれて下地や金属部分まで露出した傷が発生する場合もあり、傷の大きさや深さには注意が必要です。傷を放置すると、傷の深さや環境によっては腐食やサビになります。
ヘッドライトやグリルにダメージを受けることもある
飛び石がヘッドライトやグリルなどに当たることもあります。
レンズにひび割れや破損がある場合は、内部に水が入ることもあります。レンズやグリルの破損が大きい場合は、DIYで補修せず、整備工場やディーラーで点検を受けましょう。
飛び石の傷は放置するリスク
飛び石による傷をすぐに修理する必要があるかどうかは、傷の場所や深さによって変わります。ただし、フロントガラスのヒビや塗装が深く剥がれた傷などは、放置するのはリスクが高いです。
フロントガラスのヒビは放置すると広がる
フロントガラスにできた小さな傷やヒビは、走行中の振動や温度差などによって状態が変化します。特に、傷が運転席から視界に入る位置の場合や、ヒビが広がっている場合は、安全面からも早めの点検・修理を行いましょう。
フロントガラスは運転時の視覚に直接関係する部品です。傷が小さいから大丈夫と自己判断しないようにしてください。
ボディの塗装剥がれはサビになる
ボディの表面に浅い傷があるだけなら、すぐに問題になるとは限りません。しかし、塗装が大きく剥がれて金属部分が露出している場合は、雨や湿気などの影響を受けます。
金属部分まで傷が達している場合は、早めに修理しましょう。放置すると傷やサビが広がって深くなり、フレームに達して劣化させるおそれがあります。
早めに修理する傷もある
次のような状態なら、様子を見るより早めに修理することをおすすめします。
- フロントガラスにヒビが入っている
- ヒビが広がっている
- 運転席から見える位置にガラスの傷がある
- ボディの金属部分が露出している
- バンパーに大きな割れや変形がある
- ヘッドライトにひび割れや破損がある
自分で修理するのではなく、整備工場やディーラーで行ってもらいましょう。
飛び石でフロントガラスに傷がついたときの対処法
フロントガラスの飛び石での傷は、ボディの傷とは対処方法が変わります。状態によってリペアで済む場合と、交換が必要になる場合があります。
ガラスリペアで対応できる
比較的小さな飛び石傷であれば、ガラスリペアで補修できます。ガラスリペアでは、傷の部分に専用の樹脂を充填して補修します。
ただし、すべての傷を補修できるわけではありません。傷の大きさだけでなく、ヒビの形状や位置、状態などによって補修できるかどうかが変わります。
状態によってはガラス交換が必要になる
傷が大きい場合や、補修では十分な強度・視認性を確保できない場合などは、フロントガラスそのものを交換します。また、運転者の視界に大きく影響する場所に傷がある場合も、リペアではなく交換しないといけません。
リペアと交換のどちらになるかは自己判断せず、ガラス専門店や整備工場などで確認して対応してもらいましょう。
修理までの間に注意すること
フロントガラスに飛び石傷を発見したら、必要以上の衝撃や急激な温度変化を避けましょう。特にヒビがある状態で強い衝撃を与えたり、極端な温度変化があると、ガラスのひび割れが広がります。
修理まで時間が空く場合は、傷をこれ以上広げないよう慎重に扱い、できるだけ早く専門業者に見てもらってください。そのままでは、車検にも通らないので早めに修理することをおすすめします。
飛び石でボディに傷がついたときの対処法
ボディの飛び石傷は、傷の深さによって適した補修方法が変わります。表面の浅い傷と塗装が剥がれた傷では、修理に必要な作業が変わります。
浅い傷ならコンパウンドで目立たなくできる
塗装表面についた非常に浅い傷なら、コンパウンドを使って目立ちにくくできます。コンパウンドは塗装表面を研磨するため、使い方を誤ると塗装を余計に傷めます。
深い傷や、塗装が剥がれている傷に、コンパウンドだけで対応するのは難しいでしょう。
小さな塗装剥がれはタッチペンで補修できる
小さな飛び石傷で塗装が部分的に剥がれている場合は、車のボディカラーに合ったタッチペンで補修できます。
タッチペンは傷を完全に元通りにするものではありません。傷を目立ちにくくしたり、傷口を保護したりする目的で使用するものと考えましょう。カラー番号は車種や年式、ボディカラーによって違うため、車両の色と同じ製品を選んでください。
深い傷や凹みは板金塗装する
傷が深く、ボディに凹みや変形がある場合は、板金塗装となり専門的な修理が必要です。DIYで無理に修理すると、塗装ムラや補修跡が目立つでしょう。仕上がりを重視するなら、板金塗装業者や整備工場などに依頼して修理してもらいましょう。
飛び石の修理費用
飛び石の修理費用は、傷の種類や大きさ、車種、修理方法、依頼先などによって変わります。修理内容ごとの費用を紹介します。
フロントガラスのリペア費用の目安
フロントガラスの小さな飛び石傷をリペアする場合、一般的には数千円から数万円程度が修理費用です。ただし、傷の場所や状態、施工業者によって価格は変わります。正確な金額を知りたい場合は、傷の写真を複数の業者に見せて見積もりを取りましょう。
フロントガラス交換費用
フロントガラスを交換する場合は、リペアより費用が高いです。車種によってガラス本体の価格が変わり、ADASのような先進運転支援システムに関係するカメラが装備されている車では、交換後の調整が必要です。
そのため、車種によっては交換費用が増えます。
ボディの飛び石傷を修理する費用
ボディの飛び石傷は、傷の大きさや深さ、場所によって費用が変わります。以下が場所ごとの修理費用です。
| 傷の状態 | 対処方法 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 非常に浅い傷 | コンパウンド | 数百円~数千円程度 |
| 小さな塗装剥がれ | タッチペン | 数百円~数千円程度 |
| 複数の傷・深い傷 | 部分補修・板金塗装 | 数千円~数万円程度 |
| 大きな凹み・広範囲の損傷 | 板金塗装 | 数万円以上 |
実際の修理費用は車種や損傷状況によって違うため、上記は目安です。
DIYと業者修理の費用を比較
小さなボディ傷なら、タッチペンやコンパウンドなどを使って自分で補修することで費用を抑えられます。フロントガラスのヒビや深いボディ傷など、安全性や仕上がりに関係する修理は、専門業者に依頼したほうが良いです。
修理費用だけでなく、「再修理となった場合に追加修理が必要になる可能性」も含めてDIYと業者のどちらに依頼するのか判断しましょう。
飛び石の修理に使える車両保険
飛び石による車の損傷については、契約している自動車保険の補償内容によって車両保険の対象になります。
ただし、保険を使えば得になるとは限りません。保険金額だけでなく、免責金額や等級ダウンによる翌年度以降の保険料への影響も確認しましょう。
飛び石による損傷は車両保険の対象になる場合がある
飛び石のように、自分の車が偶発的に損傷したケースでは、車両保険で補償されます。ただし、補償範囲や自己負担額などは保険商品・契約内容によって変わります。
飛び石だから車両保険が使えると一律に判断せず、加入している保険会社や代理店で補償内容を確認してください。
保険を使う前に等級や保険料への影響を確認する
車両保険を利用すると、事故の種類によっては翌年度以降の等級や保険料に影響します。飛び石による保険利用は「1等級ダウン」します。翌年の保険料が上がり、さらに事故有係数も適用されます。
そのため、修理費用が比較的小さい場合は、保険を使わず自己負担したほうが結果的に負担が少なくなるケースもあります。
保険を使うか迷った場合は、先に修理業者から見積もりを取りましょう。
そのうえで保険会社に連絡し、保険を利用した場合の自己負担額や今後の保険料への影響を確認します。修理費用がいくらなら保険を使うべきという一律の基準はなく、自分の契約内容に基づいて、保険か自己負担のどちらが安く済むか判断してください。
車の飛び石被害を減らす方法
飛び石を完全に防ぐことは難しいものの、運転方法を工夫することで被害に遭う可能性を減らせます。
前方車両との車間距離を十分に取る
運転するときは、前方車両との車間距離を十分に確保しましょう。
車間距離が短いと、前方車両から飛んできた小石を避ける時間的な余裕がなくなります。安全な車間距離を保つことは、飛び石対策だけでなく追突事故の防止にもつながります。
距離を保つことで、飛び石が車体まで届く可能性も減らせます。
大型車やダンプカーの後ろを避ける
可能であれば、大型車のすぐ後ろを長時間走行することを避けましょう。
追い越す場合も、無理な車線変更や速度超過はせず、周囲の交通状況を確認して安全に行うことがポイントです。後を避ければ、追突の可能性も減ります。
砂利の多い道路では速度を抑える
砂利や小石が多い場所を走るときは、周囲の交通状況に応じて速度を抑えます。速度を落とすことで、飛び石が発生した場合の衝撃を抑えられる可能性があります。
そして、工事現場付近や砂利が多い道路などでは、無理な追い越しを控えましょう。飛び石を避けようとして急ハンドルを切るほうが危険です。飛び石対策では、安全な運転を優先してください。
飛び石で車に傷がついたときによくある質問
ここからは、車の飛び石の傷についてよくある質問の回答を紹介します。
- Q車の飛び石傷は自分で修理できますか?
- A
ボディに浅い傷や小さな剥がれであれば、コンパウンドやタッチペンなどで補修できます。ただし、深い傷や凹み、フロントガラスのヒビなどは専門業者での修理をおすすめします。大きな傷や破損は、下手に行うと余計に酷くなるので、業者に修理してもらうのが無難です。
- Qゆっくり走っても車への飛び石は発生しますか?
- A
前方車両からの飛び石も発生するので、ゆっくり走っても車体に石がぶつかることもあります。ただし、自車の速度が低いほど、自分のタイヤが小石を強く跳ね上げる可能性は低くなります。そのため、低速走行は飛び石対策の一つにはなります。
- Q車への飛び石は完全に防ぐことができますか?
- A
道路を走る以上、飛び石を100%防ぐことは困難です。しかし、車間距離の確保や速度制御などの対策で被害に遭う確率を大幅に減らすことができます。
まとめ : 飛び石の傷は車を確認して早めに対処しよう
飛び石は、前方車両が跳ね上げた小石などが自分の車に当たると発生します。フロントガラスだけでなく、ボンネットやバンパー、ヘッドライトなどにも傷がつきます。
浅い傷ならコンパウンドやタッチペンで対応できますが、深い傷や凹みは業者での修理が必要です。フロントガラスの傷やヒビについては、傷の状態によってガラスリペアまたは交換を行います。
飛び石を完全に防ぐことはできませんが、前方車両との車間距離を十分に取る、大型車の直後を避けるなど、運転方法を工夫することで被害を減らせます。傷を発見したら放置せず、損傷箇所と状態に応じて修理しましょう。

