ユーザー車検は、車の所有者が自分で運輸支局や軽自動車検査協会へ車を持ち込み、車検を受ける方法です。ディーラーや整備工場へ依頼するよりも費用を抑えられることから、ユーザー車検を選ぶ人が増えています。
一方で、「何から準備すればいいの?」「当日はどんな流れで進むの?」「初心者でも受けられる?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
この記事では、ユーザー車検のやり方の準備から当日の流れまでを解説します。必要書類や予約方法、不合格になった場合の対処法、スムーズに終わらせるコツも紹介するので、ユーザー車検を受ける方はぜひ参考にしてください。
ユーザー車検のやり方
ユーザー車検のやり方は以下のとおりです。
- 事前に車の状態をチェックする
- 必要書類・費用を準備する
- ユーザー車検の予約を行う
- 当日の持ち物を確認する
- 車検場に車を持ち込んで車検を行う
それぞれ詳しく解説します。
事前に車の状態をチェックする
ユーザー車検では、検査基準を満たしていない箇所があると不合格になるため、事前点検が欠かせません。
タイヤの溝や空気圧、ヘッドライト・ウインカー・ブレーキランプなどの灯火類が正常に作動するか確認しましょう。ワイパーやウォッシャー液、ホーン、シートベルトの状態も点検しておくと良いです。
また、エンジンオイルやブレーキフルードなどの油脂類に漏れがないか、下回りに大きな損傷がないかも確認しておくと、当日の検査をスムーズに受けられます。
必要書類・費用を準備する
ユーザー車検を受ける前に、必要書類と費用をそろえておきましょう。以下の書類が必要です。
- 自動車検査証(車検証)
- 自動車損害賠償責任保険(自賠責)証明書
- 自動車税(種別割)納税確認書類
- 定期点検整備記録簿
- 自動車検査票 / 申請書 / 重量税納付書
検査申請書や自動車検査票などは、当日に検査場で入手して記入できます。
費用としては、自動車重量税、自賠責保険料、検査手数料(検査登録印紙・証紙代)が必要です。事前に金額を確認しておくと、当日に慌てず手続きを進められます。費用は以下のとおりです。
| 区分 | 自賠責保険料(24ヶ月) | 自動車重量税(2年) | 検査手数料(印紙・証紙代) | 費用合計(概算目安) |
|---|---|---|---|---|
| 軽自動車 | 約17,540円 | 6,600円 | 約2,200円 | 約26,340円〜 |
| 小型乗用車(〜1.0t) | 約17,650円 | 16,400円 | 約2,200円 | 約36,250円〜 |
| 中型乗用車(〜1.5t) | 約17,650円 | 24,600円 | 約2,300円 | 約44,550円〜 |
| 大型乗用車(〜2.0t) | 約17,650円 | 32,800円 | 約2,300円 | 約52,750円〜 |
金額が変わる場合もあるので、自分の車に該当する金額を確認しておきましょう。
ユーザー車検の予約を行う
ユーザー車検は予約制のため、事前に希望日時を予約する必要があります。普通自動車と軽自動車で使う予約システムが違います。
- 普通自動車:「自動車検査予約システム」(国土交通省)から予約
- 軽自動車:「軽自動車検査予約システム」(軽自動車検査協会)から予約
普通自動車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会の予約システムから申し込みます。予約状況によっては希望日に空きがないこともあるため、ある程度車検満了日まで日数が残っている余裕あるときに予約するのがおすすめです。
検査時間は午前・午後に分かれているため、自分の予定に合わせて選択しましょう。
当日の持ち物を確認する
当日は、必要書類や支払いに必要な現金などを忘れずに持参しましょう。
書類が不足していると受付ができず、予約した時間に検査を受けられない場合があります。事前に持ち物を一覧で確認し、前日までに準備を済ませておくと当日に慌てずに済むでしょう。
また、筆記用具を持参すると、申請書類にスムーズに記入できます。
車検場に車を持ち込んで車検を行う
予約した日時になったら、車検場へ車を持ち込み、受付を済ませて検査を受けます。
受付後は、案内に従って検査ラインへ進み、外観検査やブレーキ検査、ヘッドライト検査、排出ガス検査などを順番に受けます。検査コースが分からない場合は、係員へ相談すれば案内してもらえるため、初めてでも心配ありません。
すべての検査に合格すると、新しい車検証と車検ステッカーが交付され、ユーザー車検は完了です。
ユーザー車検の当日の流れ
ユーザー車検当日は、受付を済ませたあとに書類を提出し、検査ラインで各項目の検査を受けます。事前に流れを把握しておけば、初めてでも落ち着いて対応できます。
ここでは、受付から検査終了までの流れを順番に紹介します。
STEP1.陸運支局・軽自動車検査協会で受付をする
予約した日に、普通自動車は陸運支局(運輸支局)、軽自動車は軽自動車検査協会へ車を持ち込みます。
受付では、予約内容を確認して必要書類を受け取り、申請書類に記入します。初めてユーザー車検を受ける場合は、受付でその旨を伝えると、検査の流れや記入方法を案内してもらえます。
受付時間に遅れると予約どおりに検査を受けられないため、時間に余裕を持って到着するようにしましょう。
STEP2.申請書類を提出する
申請書類の記入が終わったら、必要書類とあわせて窓口へ提出します。
提出する書類は、車検証や自賠責保険証明書、検査申請書、自動車検査票などです。書類に記入漏れや不備があると手続きが進められないため、提出前に内容を確認しておきましょう。
書類の確認が完了すると、検査ラインへ進むよう案内されます。
STEP3.検査ラインでユーザー車検を受ける
書類提出後は、検査ラインで各種検査を受けます。
検査では、車の各部分を順番に検査します。各検査機器の前には案内表示があり、係員の指示に従って車を移動させながら進めます。
検査の方法が分からない場合は、無理に進めず係員に相談しましょう。次から各項目の検査内容を詳しくお伝えします。
外観検査
外観検査では、車両の見た目や保安部品が保安基準を満たしているか確認されます。
ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなどの灯火類が正常に点灯・点滅するかを確認し、タイヤの状態やナンバープレート、車体番号なども検査対象です。また、ホーンやワイパーの動作、車内のシートベルトなどもチェックされます。
サイドスリップ検査
サイドスリップ検査では、車が直進したときに左右へずれる量を測定します。
検査機器の上をまっすぐ低速で通過するだけで測定が行われます。ハンドルを切った状態で進入すると正しく測定できないため、ハンドルをまっすぐにしてゆっくり通過しましょう。
スピードメーター検査
スピードメーター検査では、メーター表示と実際の速度に大きな誤差がないか確認します。
前輪または駆動輪をローラーに載せ、指定された速度まで加速します。速度計が規定の速度を示したタイミングでスイッチを操作し、測定を行います。検査員の指示や表示に従って操作すれば問題ありません。
ヘッドライト検査
ヘッドライト検査では、光の向き(光軸)と明るさが基準を満たしているかを確認します。
光軸がずれていると、十分な明るさがあっても不合格になります。ユーザー車検で不合格になりやすい項目の一つでもあるため、不安がある場合は事前にテスター屋で調整してもらってください。
ブレーキ検査
ブレーキ検査では、フットブレーキとサイドブレーキが正常に作動するか確認します。
検査機器のローラー上で、表示や係員の指示に合わせてブレーキペダルやサイドブレーキを操作します。左右の制動力に大きな差がないことや、十分な制動力があることが確認されます。
排出ガス検査
排出ガス検査では、排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)の濃度を測定します。
検査では、測定器のプローブをマフラーへ差し込み、排出ガスを測定します。エンジンの状態が悪かったり、整備不良があったりすると基準値を超えて不合格となるので気をつけましょう。
下回り検査
下回り検査では、車両の下部に異常がないか確認します。
車を停止させた状態でリフトアップし、検査員が下回りを目視で確認します。ステアリングやサスペンション、ブレーキ関連部品の緩みや損傷、オイル漏れ、マフラーの取り付け状態などが主な確認部分です。
検査中は、検査員から「ブレーキを踏んでください」「ハンドルを左右に切ってください」などの指示があるため、その案内に従って操作しましょう。
STEP4.検査結果を提出する
すべての検査が終了したら、自動車検査票を窓口へ提出してください。
各検査に合格すると、自動車検査票へ検査結果が記録されます。検査ラインをすべて終えたあと、必要書類とあわせて窓口へ提出し、最終確認を受けます。
なお、一部の検査で不合格となった場合でも、当日中であれば再検査を受けることが可能です。不合格となった項目を修理・調整したうえで再度検査を受け、すべての項目に合格すれば手続きを進められます。
STEP5.車検証・車検ステッカーの交付を受ける
書類の確認が完了すると、新しい車検証と車検ステッカー(検査標章)が交付されます。
交付された車検証は記載内容に誤りがないか確認し、保管しましょう。また、車検ステッカーは定められた位置へ貼り付けます。貼付位置は法令で定められているため、案内に従ってフロントガラスへ貼り付けてください。
これでユーザー車検の手続きは完了です。
ユーザー車検で不合格になった場合の対処方法
ユーザー車検で不合格になった場合の対処方法は以下のとおりです。
- 当日に再検査を受ける方法
- 後日に再検査を受ける方法
それぞれ詳しく解説します。
当日に再検査を受ける方法
その日のうちに修理・調整を行い、再検査を受けることも可能です。
例えば、ヘッドライトの光軸調整や灯火類の交換などは、車検場周辺にあるテスター屋や整備工場で対応できます。修理後は、不合格となった検査項目だけ再度検査します。
当日中に再検査を受ければ、あらためて予約を取り直す必要がなく、短時間で車検を完了できます。ただし、再検査の受付時間が決められているため、時間内に手続きを済ませましょう。
後日に再検査を受ける方法
当日に修理が間に合わない場合は、後日に再検査を受けます。
不具合箇所を修理したあと、再度車検場へ持ち込み、不合格となった検査項目を受検します。一定期間内であれば、不合格だった項目のみの再検査で済むため、すべての検査を最初から受け直す必要はありません。
一方で、定められた期間を過ぎると、再度すべての検査を受けなければなりません。また、車検の有効期限が切れている車を公道で運転することはできないため、期限切れ後に再検査へ向かう場合は、仮ナンバーを取得するか積載車を利用します。
ユーザー車検をスムーズに終わらせるコツ
ユーザー車検をスムーズに終わらせるコツは以下のとおりです。
- テスター屋を利用する
- 初めての場合は見学を利用する
- 午前中に予約する
それぞれのコツを確認してみましょう。
テスター屋を利用する
検査に不安がある場合は、車検場の近くにあるテスター屋を利用すると良いです。
テスター屋では、ヘッドライトの光軸やサイドスリップ、ブレーキなどを事前に点検・調整してもらえます。ユーザー車検で不合格になりやすい項目をあらかじめ確認して整備できるため、再検査になる可能性を減らせます。
費用は通常は数千円程度で、短時間で対応してもらえるため、初めてユーザー車検を受ける人も利用しています。
初めての場合は見学を利用する
初めてユーザー車検を受ける場合は、事前に検査コースを見学しておくのも一つの方法です。
車検場によっては、検査ラインを見学できます。実際の流れや検査機器の使い方、車の進め方などを確認できるため、当日にスムーズに検査を受けられるようになります。
午前中に予約する
予約時間を選べる場合は、午前中の検査を選ぶと時間に余裕を持ちやすいです。
万が一、不合格になった場合でも、当日中に修理や調整を行い、再検査を受けられます。午後の遅い時間帯では再検査の受付時間に間に合わず、後日に再度検査します。
初めてユーザー車検を受ける人や、車の状態に不安がある場合は、午前中に予約すると予定を立てやすいでしょう。
初めてユーザー車検を受けるときの注意点
初めてユーザー車検を受けるときの注意点は以下のとおりです。
- 時間に余裕を持って検査場へ行く
- 検査コースが分からない場合は係員に聞く
- 不合格になりやすいポイントがある
次からは、それぞれの注意点を詳しくお伝えします。
時間に余裕を持って検査場へ行く
当日は、予約時間より少し早めに検査場へ到着するようにしましょう。
受付や書類の記入には想像以上に時間がかかります。また、初めての場合は検査コースの場所や手続き方法を確認する時間も必要です。
余裕を持って到着しておけば、慌てずに準備を進められ、落ち着いて検査に臨めます。
検査コースが分からない場合は係員に聞く
検査ラインの進み方や機器の操作方法が分からない場合は、係員に聞きましょう。
ユーザー車検では、検査機器の案内表示や音声に従って進みますが、初めてでは戸惑う場面もあります。そのような場合でも、係員が検査の進め方や操作方法を教えてくれるため、無理に自己判断で進める必要はありません。
不安を感じたら早めに声をかけることで、検査を円滑に進められます。
不合格になりやすいポイントがある
ユーザー車検では、不合格になりやすい部分があります。
代表的なものとして、ヘッドライトの光軸や灯火類の球切れ、タイヤの摩耗、排出ガスなどが挙げられます。見た目では異常が分かりにくいケースもあるため、事前点検やテスター屋での整備を行っておくと良いです。
車の状態をあらかじめ確認しておき、再検査となる可能性を減らしましょう。
ユーザー車検のやり方に関するよくある質問
ここからは、ユーザー車検のやり方に関するよくある質問の回答を紹介します。
- Qユーザー車検のやり方は初心者でもわかりますか?
- A
ユーザー車検は、事前に予約を行い、受付・書類提出・検査ラインの順番で進みます。検査ラインでは案内表示や係員の指示に従って車を動かすため、特別な知識や技術がなければ受けられないというわけではありません。
不明な点があれば、受付や検査ラインで係員へ相談できるため、初めての方でも取り組みやすいでしょう。
- Qユーザー車検にはどのくらい時間がかかりますか?
- A
検査自体は30分〜1時間程度です。
ただし、受付や書類の記入、待ち時間などを含めると、全体では1〜2時間程度かかります。混雑状況や検査場によって所要時間は変わるため、当日は時間に余裕を持って予定を立てておくと良いです。
- Qユーザー車検のやり方は車種で変わりますか?
- A
基本的な流れは普通自動車でも軽自動車でも大きく変わりません。
普通自動車は陸運支局(運輸支局)、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きを行います。また、必要となる書類や車検費用の車種によって違うため、事前に確認しておくとスムーズに検査を行えるでしょう。
まとめ|ユーザー車検は事前準備が成功のポイント
ユーザー車検は、ディーラーや整備工場へ依頼する場合と比べて費用を抑えられる一方で、事前準備や当日の手続きを自分で行います。しかし、必要書類をそろえ、車の状態を確認したうえで予約し、当日の流れを把握しておけば、初めてでも問題なく検査を進められるでしょう。
また、ヘッドライトの光軸や灯火類など、不合格になりやすい項目を事前に点検しておくと合格しやすいです。不安がある場合はテスター屋で点検・整備しましょう。ユーザー車検は、余裕を持ったスケジュールで受けてください。

